ルビー
世界の3大宝石に数えられる、宝石の代表格であるルビー。 産地がアジアに偏っているうえに大きい原石が産出しにくく、 天然の宝石質ルビーはダイヤモンドよりも希少と言われています。 古くは紀元前600年ごろから戦士のお守りとして重宝されており、 現代でも結婚40周年記念をルビー婚式と呼んだり、 振り仮名の「ルビ」やプログラミング言語の「Ruby」の由来になるなど、 社会に深く根付き親しまれてきた石です。
天然石・パワーストーンとしてのルビー
読み | るびー |
別名・表記ゆれ | ラトナラジュ、ラトナラジー |
パワー・意味 | 美容運、火の氣、勝負運、健康運 |
石言葉 | 情熱、勝利、純愛、美 |
語源・由来 | ラテン語で赤を意味する「rubeus」。 |
浄化・お手入れ | 太陽光 月光 クラスター 水 セージ 塩 音叉 × ○ ○ ○ ○ ○ ○ |
誕生石・誕生日石 | 月の誕生石:7月 日の誕生石:1月20日、2月14日、3月11日、3月25日、4月8日、4月16日、5月28日、6月5日、6月22日、7月1日、7月6日、7月24日、9月20日、10月6日、10月31日、11月3日、11月27日、12月3日、12月24日 |
陰陽五行 | |
九星 | |
チャクラ |
伝説や歴史
1世紀ごろ、ローマの学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(大プリニウス)が 自然界を網羅する百科全書「博物誌」にてルビーについて言及したという説があります。 訳書「プリニウスの博物誌 III/雄山閣出版」の宝石の項目には「紅玉」という名の石が記述されており、 「火のように赤い色をしている」という特徴が挙げられていますが、 インド・エチオピア・カルタゴ・アラバンダ(トルコ)といった産地や加工地から ルビーやガーネットなどをまとめて紅玉としていたと考えられています。 博物誌には「火のように赤い」「紫」「緋色の光輝をもっている」といった特徴を持つ 「リュクニス」という名の石も登場しますが、 こちらは主な産地にオルトシア・カリア(トルコ周辺)が挙げられています。 一般にトルコでルビーは採掘されないため、 リュクニス=ルビーではないと考えられます。 旧約聖書の中でも数回言及されており、美しさや知恵といった特性に関連付けられています。 また、古代インドでは「貴重な石の王」を意味する「ratnaraj(ラトナラジュ)」という名で呼ばれ、 ビルマではルビーによって戦士たちが戦いで無敵になると考えられていました。 昔は赤色の別の鉱物がルビーだと勘違いされることもよくあり、 中でもイギリス王家が所有する王冠に使われている「黒太子のルビー」の話は有名です。 王冠に使われた140カラットもある赤い石、当時はルビーだと考えられていたのですが、 実際は巨大な赤いスピネルでした。 Wikipediaを含む、ウェブ上のルビーを説明するページの多くで 「古代インドの聖典『リグ・ヴェーダ』にて不老長寿の永劫の木の果実がルビーに例えられている」 という旨の記載が見られますが、 訳書「リグ・ヴェーダ讃歌/辻直四郎訳」を確認したところ、そういった記述は見つけられませんでした。 情報をお持ちの方はご連絡ください。確認でき次第反映いたします。
鉱物としてのルビー
和名 | 紅玉、鋼玉(コランダム) |
英名 | ruby |
鉱物名 | コランダム |
鉱物グループ | コランダム |
組成式 | Al2O3 |
主な産地 | ミャンマー、タイ、インド、アフガニスタン、スリランカ |
カラー | 赤、紅、赤紫 |
条痕 | 白 |
モース硬度 | 9 |
比重 | 3.97 - 4.05 |
光沢 | ガラス光沢 |
屈折率 | 1.762 - 1.778 |
分類 | 酸化鉱物 |
結晶系 | 三方晶系 |
似ている石 | レッドスピネル |
評価基準 | 透明度と赤色の強さ |
備考 | 一部加熱処理、一部含浸処理 |
鉱物としての特徴
ルビーはコランダムという鉱物グループに属し、
クロムによって赤く発色したものに使われる宝石名です。
赤いコランダム以外はサファイア(ピンクであればピンクサファイア)と呼ばれます。
ダイヤモンドに次ぐモース硬度を持ち、三大宝石のひとつでもあります。
ルビーは血のように赤いものが最も価値が高いとされており、
特に色の濃いルビーは、鳩の血を意味する「ピジョンブラッド」と呼ばれています。
ただしピジョンブラッドの判定は国外の鑑別機関のみで、現時点で国内機関では行われていないようです。
(一部、ミャンマー産に限りピジョンブラッドと記載する機関があるそうです。)
その他、透明度が低く黒ずんだものは「ビーフブラッド」、
ピンクに近い赤のものは「チェリーピンク」と呼ばれることもあります。
Wikipediaではクロムの割合が0.1%以下のものをピンクサファイアとしていますが、
ルビーとピンクサファイアの区別は実態としては曖昧です。
通常「色」は可視光線の一部を反射することで見えるものですが、
ルビーの場合は赤色成分を一切含まない単色光(緑・紫など)を当てても
ルビー中のCr3+が光を吸収して自ら赤く発光するという特徴があります。
これはフォトルミネッセンスと呼ばれる現象です。
以下2枚の写真は「白色光」「緑色のフィルムによる光(緑以外の成分を減らしたもの)」
のそれぞれで照らしたものです。
このように、本物のルビーであっても元の色の強さや透明度によって
緑のライトを当てた際の赤色の見えやすさに差が出ることがあります。
ルビーに関連する石
3方向に平行に並んだルチルを内包していると6条のスター効果が見られることがあり、 こういったルビーをスタールビーと呼びます。 ゾイサイト中にルビーが見られるものはルビーインゾイサイトと呼ばれます。