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生涯面識のない父
フェムトの風水相談

生涯面識のない父

マッシュさん
フェムトさん、みなさん、いつもお世話になっております。 ここのところ、毎日もようにサイトを拝見して 勉強させていただいております。 さて、とても個人的なことでご相談しようか考えたのですが… どうにも悩んでしまうので、読んで頂くだけでもと思います。 長くなるかもしれません。 先日、父が他界しました。生涯面識のない父でした。 たとえ面識があったとしても、記憶に残らないほど、 私が生まれて間もなく両親は離婚しているものと思われます。 (母のいないときに偶然見てしまった私の母子手帳に  旧姓が油性ペンで塗りつぶしてありました) 母方の実家で祖父母と伯父家族と暮らしてきたせいか、 11歳頃まで自分に父親がいないという自覚がないまま育ってしまいました。 そもそも父親というものの存在そのものが 理解できていなかったように思います。 (子供は女の人が産婦人科に行って、  自分の意思で作れて産めるものだと本気で思っていましたから…) そんなわけですから、自分に家族以外の父親という存在がいるということが 解った時には衝撃が走り、それとなく何度も母に問いただしました。 しかし母はいつもはぐらかすばかりでまともに取り合ってはくれず、 13歳ぐらいのあるとき、優しいけどはっきりした口調で 「あなたにはお祖父さんも伯父さんもいるから  (父親のことはもう)いいじゃない」 と言われてから、子供なりにこれ以上聞いてはいけないんだと察して以来、 父について触れることはありませんでした。 もちろんそれで納得できるわけではなかったのですが、 私を引き取って育てた母と、 おそらく新しい生活をしているであろう父親の立場を考えると、 私ひとりの氣持ちで父親のことを詮索するべきではないと 自分に言い聞かせながら、 自分の中の父親というものを歳を重ねる都度にずっと解釈し続けてきました。 私もいい歳になって、ようやく父親のことも消化しかけてきたというとき、 突然、父の訃報と相続手続きの一報が届いたのです。 母もこれで初めて亡くなったのは私の父だと認めましたが、 それ以上は話しませんでした。 何十年もの間、何一つ知らず、常に悩んで考えて、 片時も頭も中を離れなかった父の存在が、 突如、死という形で表れてきたことに、 どう受け止めていいかわかりません。 父が亡くなったという事実に、 以前にもまして囚われてしまっているようです。 これで永遠に、父のことは解らなくなってしまいました。 時間が解決してくれるところもあるのでしょうが 私はどうしたらいいのでしょうか? 父が私を娘として想っていてくれていたのかもう永遠に分かりませんが、 私は娘として父に感謝しています。 私が今ここにいられるのも父のおかげですから。 最初で最後に、娘として個人的にできることってありますか? (お墓参りはご遺族の手前難しいと思うので) それでもう父のことは終わりにしたいです。 ここまで読んでいただきありがとうございました。 長い間、誰にも言えなかったことでした。 これだけで大分救われました(*^^*) マジックワンズの皆さんがいてよかった。ありがとう。

フェムトの回答

お父様の存在を知らされないままに大人になったり、
情報を全く与えられないというシチュエーションは
割とよくあることのようです。


お母様にとっては、あまり思い出したくない結婚生活で
大事な娘と共有したい思い出ではないのでしょう。


そもそもワタクシを含め、離婚という選択をする場合には
大概の場合は結婚生活が不快だったわけですからね。



ワタクシも、息子たちにもしも

「父の話が聞きたい」

と言われた場合に、これは雰囲氣的に良いエピソードを探すべきだろうと
考えるのですが、悩みますわ。


それは、良いエピソードが皆無ということではなく、
どうにもささやか過ぎるものであったり、
もう少し父親らしいエピソードがあったにしても
その後に元夫がやらかしたことを思えば、全部ニセモノ臭がしてしまい、
結局何を話すにも、嘘をつくような不快感を伴うためです。


あくまでワタクシの場合なのですけれどね。


ただ、多かれ少なかれ別れた相手への感情は複雑なものはあるでしょうし、
お母様としては、今の生活に全神経を向けて欲しいと
お考えだったのかもしれません。


子どもの側からすれば、自分の遺伝子ルーツに無関心でいられるわけも
無いことを理解していても、心がついていかないこともありますから。



さて、マッシュさんはおっしゃる通り、お父様がいらっしゃらなければ
今のマッシュさんは存在しないわけです。

でもね、文字通り遺伝子だけの方とも言えますのよ。
お父様は。


ご自分に「父親」なる立場の人がいることすら知らず、
お母様からだけ生まれてきたとさえ思われていたほど
お父様の存在は希薄。


名前もずっと知らない上に、定期的に会っていたわけでもない。

通過儀礼のお祝いのメッセージもなく、
もしかしたら養育に関する費用も、
お母様側が一切を背負われていたかもしれない可能性を考えれば
そのような関係性を元ご夫婦間で取り決められたご事情の上に
運氣的な要素を見るべきと思われます。


つまり、現在の関係性の延長線上で、改めて深く関わり直すことなく
氣持ちを整理していかれるのが最上と判断しますわ。


今、マッシュさんの体を作っている遺伝子の半分を頂いたのですから
体にゆっくり想いを巡らせてみて下さい。


生命の出発点において、お父様の存在があったればこその
現在の人生であるということを考えて、
遺伝子にお礼を。


ワタクシはこれが最も強い供養だと考えています。


そしてその後、生命出発点の上にお母様との時間が積み上げられて、
二人分の愛情を受けて今の日々があることに
改めて感謝の心を確認なさるきっかけになっていきますと、
とても理想的なことなのではないかしら。



片親で子どもを育てるということは、子どものその後の人生に
一人で責任を負うということ。

進路その他で迷うことがあっても、誰かと一緒に考えるのではなく
一人で結論を出してバックアップ体制を整えなければと、
必要以上に背水の陣を意識させられてしまったり。

片親だからと肩身の狭い想いをさせたくなくて
肩肘張ったり不器用な態度を取ったり。



お父様に想いを馳せるとき、お母様の様々なご苦労は
そこに表裏一体なものとして存在していると思いますの。

そして、お母様のもとに生まれてきたからこその経験や、
お母様しかいなかったからこそ可能だった経験も
一緒に思い起こされることをおすすめします。


そういったことの全てが、マッシュさんの人生に時折
影のように姿を現されていた「父」だと思いますから。



遺伝子を通しての供養をなさる場合には、
部屋に好きなお香を焚いて下さい。


また後日に、マッシュさんのお宮参りに行かれた神社が
分かるようでしたらそこに挨拶に行っておきましょう。

分からないようでしたら、近場の由緒ある神社をおすすめします。

回答へのお返事や後日談

マッシュさん
ずいぶん遅くなってしまいましたが、
先日は風水相談に取り上げていただきありがとうございました。

御礼とともにその後のご報告などをさせていただきます。
長くなります事をお許しください。


私の相談が採用さていれたと分かっても
すぐには見ることができませんでした。

まだ気持ちの整理がつかなかったのでしょう。


一週間ぐらいしてから恐る恐る覗いてみたところ、
大変暖かい、お気遣いのこもったメッセージに、
心から救われたのを覚えています。

フェムトさんご自身の母としての目線に触れることができたことも、
母親の心境を深く理解する一助となり、とても含蓄のあるお話でした。


今回の回答で最も驚いたのは「遺伝子にお礼を」という部分。
これと類似した思考をずっと持って生きてきました。


「私の体の爪の先、髪の毛一本に至るまで、父の存在でできている。
 だから、父親が誰であるかということは、知る意味がない。」

ということを、父の死を知る瞬間まで頑なに考えていたのです。


今にしてみればこの考えは、決して間違いではないにしても、
知る術のない父親に対しての欲求に、
子供ながらに自分自身で決着をつけた、という、
ある意味で子供じみた考えだったのではないかなと思うのです。


そう感じるのも、全ては私が父の遺産の正当な相続人であるという現実でした。

いくら面識がなかろうが、細胞を愛でようが、
戸籍のつながりと司法の前に、感情論などなんの力もないということに、
自分はなんてガキだったんだろうと、己の幼稚さがとにかく恥ずかしかった。

あったこともない人の遺産を相続する日が来るなんて想像もしませんでした。
普通あり得ないと。日本の法律と自分の無恥さに参ってしまいました。


遺産そのものはすぐに放棄する氣でいました。
これは風水相談を普段から読んでいたおかげです。

上記のようなメンタルでは貰う氣になんてさらさらなれません…。

しかし母は…強くは言いませんがどうももらって欲しいような雰囲気で。
最終決定は私に任せるというところが、ことさら申し訳なく思ったものです。


そんな中で別の事実が解りました。

なんと、父の亡くなる三カ月前に、私には祖父に当たる、
父の父が亡くなっていたのです。

その遺産が父を含む兄弟三人で相続が完了しないまま、
長男である父が急死したため、代襲相続として、
孫の私が相続人として躍り出てしまっていたのです。


これに異を唱えた叔母にあたる長女が裁判所に異議申し立てを行ったため、
私はあわや出廷という事態に。

父の後妻とも土地や権利でもめていたようです。


これを知った母はさすがに面倒なことになるならと放棄しなさいと
言ってくれて私も肩の荷がおり、これを境に、
今まで一切一言も語らなかった父方の家族のことを、
せきを切ったようにしゃべりだしたのです。

(父方は家族中が微妙で、母親は長女にべったり、
 二男は両親と折り合いがつかず離れに家を建てて出て行ったとか、
 私の父の最後の奥さんは三人目で元ホステス、
 夜遊びが好きな人だったとか、長女は金に細かくて
 『あんたの(離婚の慰謝料)なんかないわよ』と言われたとか、
 長女は兄弟の嫁がつねに氣に食わなかったとか)


あまりにも予想だにしない内容に
まるで二時間ドラマのあらすじを聞くような氣分で聞いていました。

一通りしゃべり終えた母は

「30年経ってもあの家はなーんにも変わってないのねぇ」

と呆れたように何度も繰り返していました。
そのうえで叔母と後妻の相続争いに興味深々でした。


現在は遺産の放棄は完了しておりますが、
つい先月も遺族側からの書類の署名を頼まれたりなど、
おそらく完全には関係は切れないんだろうなと覚悟はしています。

この数カ月司手続きの連続で疲れました。
と同時に、昔のように父親に思いをはせることもなくなりました。

何ていうんでしょう…前よりもっと、私は私なんだと、理解できるのです。

体の輪郭に太いマジックを引いたように、くっきりと浮かび上がるのです。
これは何なんでしょう?フェムトさん、分かりますか?

(フェムトより:遺伝子への感謝が完成して、細胞が完全に自立した
 その手応えではないかと思われますわ。おめでとうございます♪)


これほど短期間で一生分くらいいろんなことが起きた氣がしますが、
それもこれもすべて、父が亡くならければ起きなかったことです。

私の最後の謎がここにあります。なぜ父は死んだのか?


私がいくら不思議がってもしかたないことですが、
よりによって祖父まで亡くなっていたことを知ると、
いろいろと考えざるを得ません。

フェムトさんのようなプロの方にとりあえずは聞いてもらうだけでも、
と思い筆を走らせました。


長々とお付き合いいただきありがとうございました。
今回の一件は 時の少なさと人の儚さの両方を思い知る機会となりました。

物事にはいつか必ず終わる時が来るということ、
その日は突然やってくる(来たように見える)こと、
大切なものはいつも、なくしてから氣付くということ、
分かっているつもりでも、受け止めるのは難しいですね。


でも私の救いはフェムトさんとMWさんがいること。

皆さんがいなかったら、私は今ほど冷静でいられただろうか?
そう思うと感謝の念に堪えません。

どれだけ心強いことか、私のつたない語彙では言い表すことができません。


どうかこれからも私を導いてやってください。
私のほんのささやかな命の時間を、MWさんとともに過ごしていきたいです。

心からの感謝をこめて…ありがとうございました。

フェムト

夫が莫大な借金を残して実の妹と失踪!二人の子供を抱え途方に暮れた、もはやどん底?というところから、風水の力で復活した不死鳥系ライター。ねこが大好き。12月6日生まれ。
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